案内スピーカーは録音した音源をスピーカーでリピート再生するものです。安価で軽いため大量に用意することができ、また指向性が強いため多数配置しても音が被りにくいメリットがあります。
コンサートの開場時の注意事項など同じ文言を正確にリピート再生するため、経験の少ないスタッフの業務サポートを行ったり、 全国各地で開催するイベントで地方のスタッフやイベントボランティアを手配した際のスタッフのレベルを合わせる事ができるなどメリットのある商品です。
このページではイベント運営時の問題点・課題を案内スピーカー&光るプラカードを用いて解決する運用例を紹介いたします。
( 修正 / 投稿)
大きめな花火大会では通路や堤防沿いなど観覧禁止エリアに人が溜まって通行の妨げになることが多く見受けられます。
このような場所には警備員を多く配置し移動を促す必要があるのですが、それに対応できる警備員をすべてのポジションに配置するのは予算的かつスタッフの手配的に難しいです。
また近年日本語が通じない来場者も多いのですが、英語などの外国語を話せるスタッフを複数人手配することは無理です。
昨今の人手不足に加え労働者の時間外労働の上限規制による更なる人員不足、様々な要因による人件費高騰により、例年通りのスタッフ数での運営が難しくなっています。
2023年の安曇野花火2023では日本語の光るプラカードを歩行者通路である堤防沿いに多数設置し、日本語のプラカードとスタッフでの誘導を行いました。
下記のイラストのようにスタッフの指示を聞いていただけなく、個別に説明しているウチにどんどん人が溜まってどうにもならなくなる箇所が多数発生し、また、花火大会に外国の方が多く来場されるようになったため日本語だけのアナウンスでは対応できていない(通じていない)と感じる場面も多くありました。
案内スピーカーを使用する前(2023年開催時)
なかなかスタッフの指示を聞いてくれませんし、問い合わせがあるとそのお客様の対応でアナウンスができなくなり、その結果お客さんが居着いちゃいますよね。
そもそも日本語通じていない方も多数おられました。
案内スピーカーを使用したら…(2024年開催時)
リピート再生をし続けるため、スタッフが来場者に個別対応していても注意喚起のアナウンスは継続できました。
警備スタッフを配置していない場所でも立ち止まる人がほとんどいませんでした。
2024年の安曇野花火では堤防沿いに4ヶ国語(日本語+英語+韓国語+中国語)の光るプラカードと4ヶ国語のアナウンス音源を入れた案内スピーカーを堤防沿い8ヶ所に設置しました。
大雨で例年より来場者数が少なかった影響もありましたが、プラカード設置場所に警備スタッフを配置しなかったにもかかわらず、立ち止まったり座り込んで観覧する方がいませんでした。
プラカードの視覚的なアナウンスだけでは思惑通りに来場者を移動させるのは難しいですが、多言語(日本語・英語・韓国語・中国語)のアナウンス音声を加えることで誰にでも禁止ということが伝わり、来場者が移動したものと考えられます。
常にスピーカーから案内が流れるため、その場に居続けるのが気になって移動したとも考えられます。
指示を聞いてくれない来場者にアナウンスし続けるのはスタッフの精神的に苦痛で大変な業務です。
この堤防沿いでは警備スタッフを常駐せず(巡回はする)に、アナウンスをリピート再生することで無人対応しました。
前述の通りスタッフの負担を軽減するとともに、スタッフ数を削減できることは人件費削減のメリットだけでなく、現在の人手不足の解消にもつながります。
また、多言語の案内スピーカーを活用することで日本人以外にも対応できたこともうまく運営できた要因だったと考えられます。
この使用例の表示面(POP)データ・音源データは以下で無料公開しています。他にも通行止めPOPなどイベント運営で使える汎用のデータを無料公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
2024年 9月 7日(土)に長野県松本市のサンプロアルウィンで開催されたサッカーJ3リーグ「松本山雅 vs 大宮アルディージャ」の帰路シャトルバス誘導にて光るプラカードに加え、案内スピーカーで誘導を行いました。
このシャトルバスの待機列整理では公園内歩道の両側に待機列ができるのですが、今まではスタッフが片手に光るプラカードを、もう片手にトラメガを持ちながら待機列に背を向けて案内していました。
光るプラカードの運用例:サンプロアルウィン サッカー運営(シャトルバス誘導)
待機列に背を向けるということはお客様とスタッフの右左が逆になるため、慣れたスタッフでも言い間違えることが多い業務になります。初めて参加した不慣れなスタッフだともっと混乱します。
また、お客様から問い合わせを受けると大勢のお客様にアナウンスすることができなくなるため、最後尾に気づかずに通り過ぎるお客様が発生し、ご迷惑をかけることもありました。
案内スピーカーを使用する前
お客様の方を向いて案内するとお客様と左右が逆になります。お客様には右側に並んでいただくのにスタッフは左手で右側に案内するため、慣れたスタッフでないと混乱します。
イベント慣れしていない新人でも対応できる運営方法が必要です。
案内スピーカーを使用したら…
間違えやすい案内を繰り返すのは録音したアナウンスのリピート再生が効率的です。人間が同じ事を話し続けると、右左や案内がごちゃごちゃになることが多いですが、定型文のアナウンスだと間違いがありません。
スタッフは「ありがとうございました」の声がけや問い合わせの対応に集中できます。
この試合では1万人以上のお客様が来場しました。
サッカーなどスポーツ大会では試合終了とともに一気にお客様が帰路につくため、また、アウェイチームの普段来られていないお客様も多かったため、暗くてもわかりやすい案内が必要でした。
今回、このシャトルバス誘導に初めて参加したスタッフだったのですが、案内スピーカーで伝えるべきアナウンスをリピート再生することで問題なく業務を遂行できました。
動画の通り、スタッフはプラカードを持って挨拶だけで案内ができました。
この後、待機列に合わせて移動する、松本駅・大芝生広場以外に行きたい方への案内など個別対応が必要となりましたが、通常と比べてガナルことが少ないため、負担が少ない運営ができました。