イベントナガノ・レポート #13 コロナ禍での集客・チケット販売

イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中でのメリット・デメリットを踏まえて、現状でのイベント運営の「ベター」な方法を模索する企画。

新型コロナウィルスによる対策が自粛から活動にシフトしている中、イベントの開催も多く見受けられるようになりました。しかし、イベントの数が増えたことにより集客の分散・集中が見受けられます。今回はイベントの集客やチケット販売についての考察と提案です。

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現状(2022年後半)

いつまで続くかわからなくなってきたコロナ対策ですが、「自粛」ではなく「開催」に舵を取るイベント・コンサートが多くなってきました。
自粛ムードが約2年間も続いていた事に加え、2022年前半までは開催コンサートがまだまだ少なかった事もあり、来場者数の多い公演が多かったです。

現在はほとんどの公演が開催されているため、2022年前半から積極的に参加してきた方が分散したり、逆に一つの注目イベントに集中したりするため、全体的に客入りの芳しくない公演が増えてきたように見受けられます。
また、とある主催者様は「コロナ前に来てくれていたお客様がまだまだ戻ってきてくれない」と嘆いておられました。

この状況を打破するためには以下の対策が必要と思われます。

対策1:分母を増やす

コンサートの販促方法は一般的に「チラシの作製・折込」「会館でのポスター掲示」「インターネットでの情報掲載」「新聞/テレビ広告」「手売り」などが上げられます。

法人など大きな主催者であれば経費のかかる「広告」や「web広告」なども可能ですが、50~100人規模のイベントでは「手売り」などの力技な販促になってしまいます。

ココで大事なのは、分母を大きくすることです。つまり普段からコンサートに来てくださるお客様にアピールしても、コンサートに来れる回数は限られており、小さいパイの取り合いになってしまいます。そのため、他の公演に来たお客様にチラシを配布(折込)しても効果がないとは言いませんが、効果が薄いと言わざるを得ません。

そのために分母を増やすことを検討すれば、集客が増える可能性は高くなります。

対策1-1:他のイベントが行っていない集客方法を

まずはコンサートに興味がない訳ではありませんが、情報をキャッチするのが不得手な方へのアプローチを検討しましょう。

我々が活動している「長野県」では、情報を自ら手に入れようと動く方が他の都道府県に比べて少なく感じます。具体的にはHPを拡充し検索エンジンに引っかかるようにしても、キーワード自体を入力しないため検索結果に表示されない…ということが多いと思われます。
これはコロナ前から感じていることであり、EVENT-NAGANOを運営している我々が声を大にして言うことではないのですが…

ただ、実感としてメディア(新聞・テレビなど)に取り上げられると販促につながっていると感じます。つまり、何気なく目にする情報が効果的ということです。

そのため、出来ることといえば「チラシ/ポスターの設置場所を増やす」「地域新聞の無料掲載できる情報コーナーなどの活用」「話題性づくり(口コミ)」などが挙げられると思います。どれも簡単ではありませんが。

チラシ・ポスターの設置をしてくださる店舗はかなり少なくなってきていますが、知り合いの店舗や個人宅の塀など、友人関係でお願いできるところは積極的にお願いしましょう。

地域新聞には無料の情報掲載コーナーがある場合があります。あれば積極的に利用しましょう。また、企画枠など掲載料の安い広告出稿もありますので、広告代理店の知り合いがいれば相談してみるのも手です。

話題性づくり…これが一番難しいですし気の利いた提案は出来ないのですが、演者によるyoutubeなどの動画作成→SNSでの拡散や、どういうイベントなのかを丁寧に伝えるなど、低予算でできる思いついたことがあれば何でも試してみるのもいいと思います。

なお、イベントナガノでは今後、チラシ・ポスターの店舗配布を一括で請け負う事業を企画しております。2023年には開始したいと考えておりますので、うまくご活用いただければ幸いです。

対策1-2:イベント割の活用

※イベント割は2023/1/31でサービス終了となりました

1-1の他のイベントが行っていない集客方法に含まれるのですが、「イベント割」実は販促に効果的かも…です。

イベント割は都会のイベントやテーマパークなどで積極的に行われていますが、地方のイベントではあまり見かけません。つまり、今始めたら「目立ち」ます。
「長野県で初めてイベント割を活用したイベント」だとメディアが取材に来るかもです。イベント割が使えるイベントって「イベント割」公式HPで掲示されます。つまり無料で経済産業省が販促してくれます。

イベント割本来の目的であるチケット代の80%で購入できるのもメリットが大きいです。5000円以上のイベントなら1000円以上割引とお得感が凄いですし、少額でも定価より安くなるのでお得感があるので、購入を躊躇している方には最後のひと押しになる可能性もあります。

多大な効果があるかどうかは未知数ですし、我々がnote.comに掲載しているコラムにも記載している通り「主催者には手間というデメリット」がありますが、集客にお困りの場合は検討してみるのも良いと思います。

なお、EVENT-NAGANOはイベント割対象プレイガイドです。また、主催者様がイベント割に対応するお手伝いも行っています。詳しくは下記のリンクをご覧ください。

対策2:コロナ前に来てくださった方へのアプローチ

コロナ前に来てくださっていた人へのアプローチ…難しいと思います。コロナへの危機意識や対策のレベルは人それぞれなので。

ただ、どうして来てくださらないかを伺える場合は伺ってみましょう。そうすれば「どこまで」対策すればより多くの方にとって安全なイベントになるのかが見えてくるかもしれません。

対策2-1:安全性のアピール

しっかりと衛生対策を行っているアピールは大事です。

万全の体制とのみ書いてある方が信用できません。具体的な対策を明記し、当日も手を抜かず実施するなど、口だけではない誠意が伝わるかどうかがポイントかと。

前述のイベント割って面倒ですが、しっかりとした安全対策を取らないとペナルティがあるため、安心感の一つになるかもです。国が認定したイベント…までは行かないのですが、まぁ…うまく使いましょう。

対策2-2:一席飛ばしは快適

コロナが落ち着いてきたことで一席飛ばしの公演が少なくなってきましたが、集客がキャパの半分以下になりそうな公演では自虐的に「快適」「安全」をPRしましょう。

両隣に他のお客さんがいない公演って超快適ですよ。手すり、両方使っても気まずくならないんですから。これは今だけの特権です。前述の安全性のアピールにもなりますので、ぜひ活用しましょう!

目次|イベントナガノ・レポート

長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。

少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!

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