イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中で、イベント運営をどうするのが一番良いかをメリット・デメリットを踏まえて現状の「ベター」な方法を模索する企画。
屋外イベントでお客様に注意喚起する際、スタッフが大声で注意することがありますがコロナ禍のイベント運営では好ましくないです。スタッフの発声機会を減らすことが感染拡大を防止する一助になりますので、発声機会を減らす方法について考察いたします。
アイテムを活用してスタッフが発声しなくても誘導できる方法を積極的に行いましょう!
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コロナ禍での公演ではお客様に会話をお控えいただいたり、Jリーグなどでは声援を禁止している事が多いです。これは声を出すことがマスクをしていても飛沫感染のリスクとなるためです。
それと同様にスタッフが声を出すということも飛沫感染のリスクとなります。マスクやフェイスガードをしていてもリスクがゼロになることはありません。そのような状況下で通常の公演での「がなり」レベルの大きな声で案内することは、看過できない飛沫リスクの増大となります。
イベントナガノではスタッフやお客様の安全を考慮し、繰り返す定型文についてはポータブル拡声器を利用した「案内スピーカー」音声案内を行っています。定型文では対応できない細かいところや個別対応が必要な部分のみを当該のお客様に聞こえるレベルの発声で伝えるようにしています。
検温時の具体例を申し上げると、
大勢のお客様向けに、音声アナウンス音源入り拡声器で「こちらで検温を行っております。足元のPOPの位置でお止まりいただき、検温にご協力ください。」をボリューム大きめで流します。
スタッフは「はい、問題ありません」「髪を上げていただけますか」「帽子をとっていただけますか」などのOK/NGやイレギュラーの対応を当該のお客様に聞こえるレベルでの発声にとどめております。
効果的なPOPを掲示し、スタッフが案内しなくてもお客様がスムーズに行きたいところに行けるのが理想の案内です。
これはコロナ前のイベントでも重要なことでしたが、コロナ禍の現状では特に重要です。
行列のできるところには足あとPOPをよく見かけます。殆どのスーパーでも床に貼られているためご存知だと思いますが、足あとPOPがあるだけでお客様が案内無しに並んでくださいます。イベントでもこのような効果を利用すべきです。
POPやプラカードを掲示する場合は、行きたいところに「テーマカラー」を決めて案内することが大事です。総合病院では行きたい診療科が色分けされており、色の矢印に沿って行けば目的地に着きます。
文字のバランスや色合いも検討しましょう。お客様は少し離れた場所からPOPを見ますので、5mほど離れて認識出来るかどうかを確認しながら作りましょう。
若い方がPOPを作ると小さい字を使う傾向がありますが、小さい字だと年配の方や夜間では認識しづらいです。背景と文字の色合いが似たものも同様です。なお色弱の方で赤と緑の区別がつきづらい場合があるので緑バックの赤字などは使用しないほうがよいでしょう。
また、文字だけでなくイラストも活用できれば視覚的に訴えやすくなります。
このサイトでも利用しておりますが、いらすとややillustACなど無料のイラスト提供サービスでは様々なイラストを商用利用OKで無料配布しています。こちらをご利用してみてください。
認識できないPOP=誘導できない運営ということになりますので、作ったPOPは試し刷りし、複数人で本番利用前に確認することをオススメします。
プラカードや立て看板・のぼり旗などでお客様を誘導することも大事です。
イベントナガノでは状況に応じてプラカード・ノボリ・A看板・専用ポールなどにPOPを取り付けて使い分けています。
夜間の屋外ではプラカードを認識しづらいため、イベントナガノではプラカードをモバイルバッテリーの電源で光らせたLEDプラカード「光るプラカード」の開発しました。
松本山雅FCホームゲームの運営、特にナイトゲームではプラカードや立て看板を光らせてお客様にわかりやすく、帰りのシャトルバスの誘導などを行っています。
小さいイベントだとトランシーバー(インカム)を利用しない場合をよく見受けられます。使っていたとしてもトランシーバー保有者は責任者などの管理スタッフばかりで一般スタッフは付けていない場合が多いと思います。
しかし、コロナ禍でのスタッフ同士の接触を少なくするという観点からもトランシーバーを活用して感染拡大のリスクを減らした方が良いと思います。
トランシーバーは安いものではないのですが、レンタルだとデジタル簡易無線機で1台3,000~4,000円、近場の通信で良ければ特定小電力トランシーバーだと1,000円~1,500円で借りることが出来ます。積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
トランシーバーの良い所は即時性ですが、電話中や忙しい時に対応できない、会話のため細かい内容(特に時間など)が正確に伝わりにくいというデメリットもあります。
そのため、lineなどのメッセンジャーアプリを共有使用し、「後で確認できるもの」「全員に情報が共有できるもの」「画面に残るもの」も併用して連絡を取り合うことも大事です。
こちらも情報量が多すぎるとタイムラインの外に情報が流れてしまい、情報を確認するのが難しいなどのデメリットがありますが、スタッフ数やポジションごとに合わせた対応を検討しましょう。
イベントナガノでは案内スピーカー+POP、案内スピーカー+光るプラカードなど、イベントナガノでは複合的にアイテムを利用して誘導効率をUPしています。
組み合わせの事例は弊社ホームページで紹介していますので、よろしければ参考にしてください。
なお、備品はいざという時に故障して使えないという「イベントあるある」が発生する事も多々ありますので、多少の予備は用意しておきましょう。
長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。
少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!