イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中で、イベント運営をどうするのが一番良いかをメリット・デメリットを踏まえて現状の「ベター」な方法を模索する企画。
今回は来場者の記録を取る方法に関しての考察と提案です。イベントナガノでは以下の方法を提案します。
極力来場者カードを事前に渡して記入して持ってきていただく。漏れた分は当日書いてもらう。
子ども向け・ファミリー向けの公演では半券の裏に連絡先・名前を書く…というのは保護者にとって非現実的な作業です(子ども分も書くの?となります)。 そのため、子どもが多数参加する公演では来場者カードに「○人で来場」の欄を付けてグループ単位で書いてもらうようにするとスムーズに運営できます。
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ご来場者の中で万が一新型コロナウイルスに感染された方がいらした場合、保健所とお客様へ速やかにご報告するために、来場者の記録が必要です。
ただ、フォーマット・記録事項(項目)が決まっていないため、イベントごとに確認している内容が違います。
来場者のお名前・連絡先(電話番号 or メールアドレス)は必須です。それ以外にもお住まいの市町村を聞いておくことで万が一の際に保健所が実施する行動調査・接触者調査をスムーズに行うことが可能になります。
また、可能であれば「体調管理のチェックリスト」も一緒にできると良いです。お客様の自己申告にはなりますが、お客様にも再確認していただけますし、スタッフも安心して仕事ができると思います。
こちらを聞くことは個人情報の取得に当たります。管理を徹底する・必要に応じて保健所に通知する・保存期間は一ヶ月で終わったら速やかに破棄するなどの記載・説明も必要です。
来場者記録を取得する方法は大まかに分けて「来場者カード(用紙)」「チケット」「WEB」の三種類に分けることが出来ます。
来場者カード・チケットはアナログな方法です。最大のメリットは「わかりやすい」ことで、書けばいい・出せばいいと従来のやり方で済むためお客様にもご理解いただきやすいです。
一方、コロナ禍な現状では接触を防ぐ事が重要で、その点に関しては不向きな方法と言えます。
WEBはデジタルな方法となるため、接触がないというのが最大のメリットになります。また、個人情報の管理や集計が楽ですし、紙面とは違いサイズに制限がないため、聞きたいこと・伝えたいことを無限に記載することが出来ます(読んでくれるかは別の話になりますが)。
一方、従来の方法ではないためわかりにくい、またフォーマットが決まっていないためイベントごとに方法がバラバラという欠点もあり、わかりにくい=回収率の低さ・スタッフが誘導・説明する時間が増えるなど手間の増大など課題もあります。
現状のやり方やそれに伴うメリット・デメリットを下記の表にまとめました。お時間のあるときにご確認いただければ幸いです。
すべてデジタルでできれば話は早いのですが、まだそういう時代ではないため、やはりアナログの方法が向いているかと思います。
しかし、受付での接触を避ける・密を避けるというのは現状やらなければいけないことですので、その観点から先に来場者カードをお渡ししておく方法を検討する必要があります。
有料公演であればチケットをお渡しする過程があるため、そのタイミングでできるだけ多くのお客様に来場者カードを渡すことができれば一番良いと思います。当日までにご自宅で書いてきてもらえばお客様同士・お客様とスタッフとの接触はかなり回避できます。
また、来場者カードを配布するためにWEBを使うのも一つの方法です。ホームページに来場者カードのデータ(PDFなど)をアップロードし、それをお客様自身でダウンロード&印刷してお持ちいただければチケットの受け渡しの発生の有無に左右されません。しかし、どれだけのお客様がこの方法に対応してくださるか分かりかねるため、WEBにアップロードして通知すれば問題解決!とはなりません。
また、当日来場者カードを忘れていらっしゃる方、当日会場でチケットを入手される方もいらっしゃるため、いずれにしても、当日は記入テーブルを用意しなければなりません。その際、記入テーブルは密にならないようお客様動線から少し外れた場所に設置し、かつスタッフが定期的に消毒することで衛生面を確保する必要があります。
その記入テーブルですが、動線から大きく外れた場所に設置すると、人の流れが交差する=密が発生します。お客様の流れが一方通行になるように配置することを心がけましょう。
ホクト文化ホールにおける運用例はこちらに掲載しております。参考にしていただければ幸いです。
個人情報をお預かりするので、回収時も取扱いを慎重にする必要があります。よく見かけるのですが「上が大きく空いている箱に入れている」イベントが多いです。風で飛んでったらどう責任取るんだろうと心配になりますので、少なくとも口を絞って飛んでいかないような施策を取りましょう。
回収後の管理もしっかりしましょう。
長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。
少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!