イベントナガノ・レポート #02 検温について

イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中で、イベント運営をどうするのが一番良いかをメリット・デメリットを踏まえて現状の「ベター」な方法を模索する企画。

今回は検温機器の種類や使い所に関しての考察と提案です。イベントナガノでは以下の方法を提案します。

トリガー型の温度計を購入orレンタルすることをオススメします。会場備え付けのサーモグラフィがあればダブルチェックで!

( 投稿 / 加筆修正)

トリガー(ピストル)型の温度計

検温のイラスト(いらすとや素材)

最近では飲食店など一般店舗でもトリガー式の温度計をよく見かけるようになりました。通販で普通に買えます。

通販で5,000~10,000円で販売されているものは10cm程度に近づかないと測れないものが多いです。

そのため、スタッフとお客様の距離が近くなってしまうというデメリットがあります。また、おでこで検温するため、帽子を取っていただく・前髪を上げていただくなど、スタッフからお客様にお願いする必要が多々あり、お客様との接触機会がどうしても増えてしまいます。

しかし、この検温方法が一般的であるためお客様が対応していただきやすく、かつ機械自体が簡単な作りになっているため初見のスタッフでも容易に操作できることが最大のメリットです。

なお、安いものは外国製のものがほとんどです。そのため…とは言いませんが結構当たり外れがあります。マニュアルに日本語が一切書かれていないもの、使いづらいものや酷いものだと1~2℃低く測定されるものもありました。
そのため、購入して本番でいきなり使用…となると、使い物にならず慌てる…ということもありますのでご注意ください。

楽天市場「非接触 温度計」の検索結果

スタッフが確認するハンディ型サーモグラフィ(サーマルカメラ)

検温のイラスト(いらすとや素材)

Jリーグで採用・運用されているハンディ型サーマルカメラ。最近サッカー観戦に行かれた方はご覧いただいているかと思います。

こちらの最大のメリットは「多少離れていても測定できる」です。1.5~2m離れていても測定できます。

ただ、ハンディ型のものはモニター画面が小さく、標準を合わせづらい=時間がかかるというデメリットがあります。慣れてくると早く対応できますが、担当スタッフが変わると操作方法を理解するのに時間がかかります。
また、10万円前後するため、コンサート等で同時に複数使用しなければならない場合はコストが掛かりすぎるデメリットがあります。

楽天市場「ハンディ サーマルカメラ」の検索結果

お客様が確認できるスマホ型サーモグラフィ

スマホ型サーモセンサー(MyRICOHプリントアウトファクトリー素材)

最近ではどこでも見かける、スマホ型AI検温ソリューション、あれ便利ですよね。
顔を近づけるだけでOK/NGを判定してますし、判定も早いのでお客様を待たせることがありません。
【2021/8/19追記】商品によっては反応が遅いものもあります。ご注意を!

OK/NGの表示もわかりやすいですし、NGの場合のみブザーで警告してくれます。警告音がなったときのみスタッフが対応=スタッフの兼務が可能・接触を少なく出来ることが最大のメリットであると言えます。

ただ、こちらも結構な価格です。レンタルだと月2万円。購入だと10万~25万します。 そのため、会館様や大手プロモーターなど頻繁に使用される所では(レンタルを含む)導入してもよいかと思いますが、イベント主催者が独自に用意するには高コストかと思われます。
また、電源を必要とするタイプが多いため、コンセントの場所や電源コードの引き回しなどケーブルの配線設置場所が限られます。

パソコン画面やモニタでスタッフやが確認する広角サーモカメラ

広角サーモカメラ(写真提供:Dynamics)

長野県内でも多くの会館で使用されている広角なサーモカメラだと、一度に複数人を測定できます。チケットチェックを行わないイベントや、会場入口での一次チェックでは人の流れを止めることなくスムーズに測定できるため効果的です。

こちらもスマホ型と同様にスタッフが常駐する必要がないため、別業務の兼務や接触を少なく出来ることが最大のメリットです。

【2022/1/21追記】モニターを覗き込む方が多く、そのためボトルネックになる場合が散見されます。そのため以前の説明ではスタッフの常駐が必要ないと書きましたが、実情ではスタッフが立ち止まらずに移動を促す必要があります。

こちらは更に高額です。長野県だとDynamics様が代理店をされていますが、レンタル(フルセット)だと8万円~、販売だと80万円と高コストで、また設置にも技術スタッフが必要です。そのため、複数日に多くの来場が見込まれるイベント・長期に渡って場所を変更しない会場でないと導入は難しいです。

現状はまだコロナに最大限の警戒をすべき時期のため、スムーズな入場の必要性があまりないため活躍の機会が少ないです。
しかし、今後コロナが少し落ち着いてきてスポーツイベントやアリーナ・スタジアム級のコンサートで最大キャパまで集客できるようであれば、このような複数人を同時にチェックできる広角サーモカメラの導入も必要になるかと思われます。

Dynamics「検温サーモカメラ」

イベントナガノの提案

[例]ホクト文化ホールにおける検温場所の提案

以上のことから、現状では安いトリガー式の温度計がコストパフォーマンス・操作性でイベント・コンサート向きと思われます。必要数が少ない・次や他で使う予定があれば「購入」で、そうでなければ「レンタル」がよいと思います。レンタルでは誤差の大きい使えないものもありますので必要数+1のレンタルで問題ありません。(使い勝手の問題はありますが…)
イベントナガノでもトリガー式の温度計を複数所有しておりレンタルも行っております。イベントナガノが運営サポートで関わる場合は無料でお貸しいたしますので、お困りの際はお問い合わせください。

また、会場に備え付けのサーモグラフィが設置されている所が増えてきています。備え付けがある所では主催者は用意しない…ではなく、サーモグラフィも活用するけど、受付でもしっかり検温するようにしたほうが良いと思います。
サーモグラフィでほぼ問題がないとは思いますが、チェックのタイミングでどうしても漏れが発生する可能性があるので、可能であればダブルチェックでの検温が良いです。
受付でもチェックしたほうがお客さんは安心して公演を楽しめると思います。

ホクト文化ホールにおける運用例はこちらに掲載しております。参考にしていただければ幸いです。

光るプラカードの運用例:ホクト文化ホールでのコンサート

【2021/8/19追記】なお、#01 アルコール消毒のコラムでも記載しましたが、消毒・検温は入場時の待機列整理のボトルネックになる場合があります。その際に迅速に動ける体制(ハンディタイプに切り替える・誘導員をつけるなど)を取れるようにしましょう。

イベント屋からのワンポイントアドバイス

今までお話してきた機器はすべて「温度計」です。表面温度を図るもので、体温に関しては正確に図れません。温度計で警告が出たら即お断りではなく医療用の体温計で詳細に図る必要がありますし、逆もしかりです。この点を理解した上で「温度計」を使用してください。

実際に体温が高いお客様がおられた際に隔離する場所や対応するスタッフを事前に決めておく必要があります。こちらを決めておくことで万が一感染者がおられた際にスタッフの濃厚接触者数を減らすことに繋がります。

どれもこれも機械です。急に調子が悪くなるなど客入れ中にトラブルが発生することを想定したイベント運営、予備の用意や機器トラブルの際の担当者を事前に決めておく事をオススメします。

夏場に多く見受けられるのですが、炎天下で体温を測定すると高く表示される場合が多々あります。そのため、屋外や屋外から屋内に入ってすぐに検温をすると37.5℃以上で表示される事を想定して、少しクールダウンをする場所を予め決めておく必要があります。

目次|イベントナガノ・レポート

長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。

少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!

イベントナガノレポート