イベントナガノ・レポート #14 アフターコロナのコンサート運営(新型コロナ対策コラム最終回)

イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中でのメリット・デメリットを踏まえて、現状でのイベント運営の「ベター」な方法を模索する企画。

ついにマスクを着用しなくてもよいとの指針が出され、コロナ前に戻る点が多くあると思われます。ただ、すべてをコロナ前の状態に戻すのではなく、ウィズコロナで行ってきた運営の「いいところ」は積極的に活用していきたいものです。

また昨今の物価上昇に伴うスタッフ人件費の高騰や、イベント・コンサートの増加に伴う人手不足が更に加速することが懸念されます。そのため、スタッフ人数を減らすための運営の工夫も必要と考えられますので、その点も合わせて考察していきます。

( 修正 / 投稿)

場外案内(がなり)

ご入場前のお客様に入場の案内や列整理を行う「がなり」業務は、基本的に同じ文言を繰り返してアナウンスしています。
そのため、案内をリピート再生する「案内スピーカー」などがあれば、スタッフは列整理などの誘導に注力することができ、スタッフ人数を減らすことができます。

トラメガで頑張るのがダメとまでは言いませんが、定型文はスピーカーで、スタッフはイレギュラー対応を含めた個別の案内ができるようにすればより効果的です。

また、全国ツアーなどの同一コンサートでは会場の規模やレイアウトに多少の差はありますが、禁止事項などはほぼ同じです。
さらに地方公演などでは現地スタッフのレベルにばらつきがあるため、案内音源で主催者様が伝えたい事を確実に伝えることで運営のクオリティを担保できます。

案内スピーカー自立タイプ

列整理

【光るプラカード】A3版・横向き使用(最後尾)

最後尾の案内には「プラカード」が必須です。視覚的に最後尾がどこかわかりやすくしましょう。

イベント終了時のシャトルバス乗り場など人が一斉に並ぶ場合はスタッフがプラカードを持った方がよいですが、列が緩やかに伸びる場合はお客様に持っていただくのも一つの方法です。
そうすることでプラカードを持つスタッフの数を減らすことができ、スタッフは列の誘導や案内に注力することができます。

弊社が運営を担当している「松本山雅FCホームゲーム」において、コロナ前はハーフタイム時のトイレ待機列でお客様にプラカードを持っていただいていました。アウェイのお客様からは驚かれることもありましたが、ルールとして決めておけばトラブルはほぼありません。

ただし、お客様が持つ上で「重い」、「不便」、「表示がわかりにくい」プラカードでは効果が半減します。
軽いもの、両面に案内があるもの、夜間(ナイトゲーム)では光るものなど、お客様同士が渡すだけで解決するものが必要です。

弊社のプラカードは実際に運営で用いながら改良を重ねてきたため、上記の点を全て兼ね備えています。

光るプラカード

チケット半券の切り取り(もぎり)

イベント・コンサートの運営を行っている立場からすると、コロナ禍のお客様にチケット半券の切り取り(もぎり)を行っていただく方法は楽でした。
確実なチェックは難しいですが、スタッフの手間が減りましたし、スタッフの熟練度に左右されない入場スピードが担保できました。
(スタッフがもぎりを行う公演が時々あると、慣れておらず逆にもたつきました…。)

そのため、セキュリティをしっかりしなければいけない公演でなければ、今後もお客様にもぎっていただくスタイルは継続してもいいのでは…と考えております。
ただ、全員に強制するのではなく、ご高齢のお客様などに関してはスタッフがもぎるなどの対応ができれば、スムーズにご入場いただけると思います。

場内案内

【コロナ対策を施したコンサート運営】客席内(開場時・休憩時)(光るプラカードで案内表示)

場内案内も効果的に行うことができればスタッフ人数を減らすことができると考えます。

例えば、「撮影禁止」などの案内POPを持って場内を練り歩けば、ある程度の方が見てくださると思います。
それだけでは効果は薄いですが「ちゃんとやってる感」を出すことで緊張感も生まれ「知らなかった」ことで起こってしまう過ちを減らす効果は間違いなくあると思います。

ただ、ペラペラの紙(ラミネート)を持って歩くのはどうかと。シワや折れ目があっては見た目が良くないですし、持ち方によっては斜めになったり折れ曲がったりして、表示が見えにくくなってしまいます。しっかりとしたボードに貼り付け、固定したものが良いです。

また、人は「違和感」があれば注目してくれます。光ったり点滅したり、内容が変わったりした方がより効果的です。弊社の光るプラカードは光って目立ち、かつ軽量で持ちやすいため効果的な案内が可能となります。
※開場時、ステージ前に光るプラカードを掲示しておくと灯りが強いためステージの写真を撮ろうとしてもキレイに撮れないという副次的効果もあります。

光るプラカード

終演時

【光るプラカード】帰路誘導@山雅サンプロアルウィン場外

コンサートやイベントの終了時には「舞台の片付け」「撤収」などに人手が割かれるため、開場時と比べて運営スタッフの人数が少なくなります。

そのため、お客様が「見ただけ」でスムーズに移動できる案内があれば、スタッフが誘導する手間が省けます。追加での説明が不要で分かりやすい効果的な表示を心がけましょう。

また、トラメガを用いた案内は開場時の「がなり」と同様に同じことをリピートで繰り返すだけなので、録音した音源を案内スピーカーでリピート再生すれば良いと考えます。

案内スピーカー

目次|イベントナガノ・レポート

長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。

少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!

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