イベントナガノ・レポート #12 長引くコロナ禍でのイベント運営

イベントナガノがコロナ禍で様々なイベントを視察・運営サポートしてきた中でのメリット・デメリットを踏まえて、現状でのイベント運営の「ベター」な方法を模索する企画。

執筆時点で2年以上経過してしまったコロナ禍。もう終わるだろうと考えていてもぶり返すため、平常に戻すことができません。今後、イベントでの衛生対策をいつまですればいいの?どこまですればいいの?という先の見えにくい課題について考察いたします。

今後の参考にしていただければ幸いです。

( 投稿 / 加筆修正)

これからの衛生対策について

冒頭にも書きましたが、2022年の半分が過ぎてもまだウィズコロナが必要です。おそらく年内はこの状況が続くと思われるため、今後も今まで同様の衛生対策は必要と考えられます。

ただ、以前はレベル5になったらイベントは中止が当たり前でしたが、現在ではよほどの事が起こらない限り緊急事態宣言が発令されるレベルにはならないと思いますし、行動制限もかからないと考えられます。
しかし、イベントに不特定多数が集まるためクラスターが発生しやすいと思われており、イベント業界は問題が発生した際に叩かれやすい業種です。また、ライフラインに関わらない交遊的な要素が強いため、一般的な衛生対策より厳しめの対策が必要です。

2023年以降はどうなるか定かではありませんが、ノーマスクでOKとなる時期はまだまだ先と考えられます。つまり、今行っている衛生対策はまだまだ必要です。どうせ対策するならアフターコロナでも使えるノウハウや備品を溜め込みましょう!

ちゃんとやってる感

開場時の客席でのお願い@キッセイ文化ホール

「やってる感」と書くと、やってないけどやってるフリ…ケシカランと思われるかも知れませんが、主催者としてしっかり運営する、それをお客様に伝わるようにアピールする = 「ちゃんとやってる感」を出すのが大事と考えています。

お客様にちゃんとお願いする
⇒ しっかり衛生対策をしていただいているお客様に安心感を与える
⇒ イベントの満足度に繋がります。

ちゃんとやってるイベントと認知される ⇒ 安心してご来場いただける方が増える となるので、このご時世の集客にも有効です。

文字やチラシで伝えるのは難しいですし、口コミで広がりにくいことではありますが、一度やらかすとSNSなどで拡散してしまい、今までの努力が無となります。面倒ではありますが、ちゃんとやりましょう!

やり過ぎなアピールは逆効果?

イベント慣れしているスタッフによくあることですが、どうしても大声を出してしまいます。
実際、声を出さないと誘導が難しいのは理解できるのですが、お客様に声を出すなと言いながらスタッフが大声を出すのは本末転倒ですし、説得力もありません。

また、過度に衛生対策をお願いすることはお客様を不快な気分にさせてしまうことがあります。当然、やってもらうことはやってもらわないといけないのですが、お客様のスタイルに合わせて対応を考え、できるだけ最短ルートでお願いできるよう対応を考えましょう。

なお、イベントナガノでは光るプラカードや案内スピーカーを活用してスタッフが大声を出したり、個別に注意しなくてもよい方法を取っています。
・客席内では静かにしていただく案内POPを光るプラカードで目立つように掲示し、わかりやすく案内しています。
・案内スピーカーで定型アナウンスをリピート再生しています。スピーカーだと角が立つことも伝えやすいですし、繰り返し流すことで「聞いてない」クレームを少なくすることができます。

今一度、何のためにやっているのかを理解しましょう!

コロナ禍で2年半も経てば毎回の衛生対応が固まってきていると思います。しかし、他の業者がやってるからこうしている、今までこうしてたからやっている、言われたからやっている等、衛生対策の目的を知らずに行動している主催者様が多いです。

コロナ禍の衛生対策の基本は「飛沫感染リスクを減らす」「不特定多数が触れる場所を減らす」「各自の手洗い・消毒の徹底」に尽きると思います。

■ 公演チラシ、お客様に取っていただいていませんか?それってお客様がベタベタ触って不特定多数が触れているんじゃないですか?
■ お客様にもぎってもらうのは、お客様が触れたものをスタッフが触れないようにすることで不特定多数が触れる機会を減らしてるんですよ。知ってました?
■ お客様に大声を出すなとスタッフが拡声器を使って大声出すのは矛盾していると思いませんか?

などなど、いつもやっている当たり前のことになっている実は周りから見たら見当違い?という事もありますので、今一度行動を振り返ったり、他社様のやっていることをリスペクトして自らのイベントに活用するなどが大事かなと思います。

ご来場の皆様へのお願い

これだけコロナ禍が長引くと人によっての衛生レベルに差がでてきます。様々な意見があるとは思いますが、イベントの運営担当者としては「このイベントはこのルールで運営します!」と明示されているイベントではそのルールに従って欲しいと切に願います。

厳しい衛生対策を行っている方は、イベントの衛生対策の告知を見て参加の可否を決めている場合が多いと思われます。告知どおりに衛生対策が行われることを前提として参加されている方もいることを認識してイベントに参加してください。

まだまだイベントを心から楽しめる状況ではありませんが、少しでも多くの方が楽しめる環境づくりにご協力をお願いします。

目次|イベントナガノ・レポート

長野県のイベント情報サイト「イベントナガノ」では2020年3~6月に様々なイベント主催者様を取材し、コロナで中止や休館などで苦しむ声をお聞きしました。

少し古い情報となっておりますが、まだまだ続くコロナでの参考になる部分があるかと思います。コチラも是非ご一読ください!

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